甲賀忍法帖

 弾正とお幻が、孫ブッチギリで萌え過ぎて仕方ありません。信長の伊賀焼討ちシーン挿入、お幻のヤる気満々の身清めといい*1死にフラグと負けロールの宝庫。夜叉丸*2のスタートダッシュすらブッコ抜いての圧巻たる生き様と死に様は、見事の二文字。
 回想シーンでは伊賀・甲賀の別れに未練が募るお幻の方が、弾正へと斬り付ける訣別の剣閃。その瞬間ではまだお幻に受け太刀しか震えなかった弾正が、十番勝負の最初の犠牲者としてお幻へと鉄楊枝を放った初撃。余りにも切ない構図に不覚にも目に涙が滲みました。「星が違うた」と言うしかなかった二人にとって、互いを誰かの手にかけさせてしまうくらいならという、殺し愛*3がそのまま張裂けそうな悲鳴にも似た裂帛と化した。
若き日の二人は激情のままに斬り結び、歳月を経た二人は老獪さと必殺の術をこらして相打つ。深く互いを想うが故に、弾正は衰えた腕で斬撃を振るう愚は犯せなかった――故の、鉄楊枝。貫かれた肉体を引き摺っての太刀筋が弾正に通じぬ事を知るお幻だからこそ、手懐けた鷹を陽動に欺きの一穿。「せめて、この手で」「討たれるなら、せめて」そんな叫びが伝わるような、美しさすら感じさせる忍の業。
 こちらでは火曜放映なんで、きっとネタバレは気にしなくていいですよー*4

*1:性欲を持て余す

*2:鍔隠・卍谷ニュージェネレーションズ随一の負けキャラ

*3:コロシアイ

*4:私信