雑記

 今日、職場でヤクザと仲良くなった。と言っても、そのヤクザの和田君*1はまだまだ18歳のやんちゃボーイ。会津小鉄会系らしい*2が、終業まで彼は終始真面目で明るく、先輩や年上の人には礼儀も正しい。初日で不安そうでもあったので、色々と話しかけたりしてたところ、徐々に打解けてくれたのだ。
 で、終業後制服から着替えている時に和田君の二の腕に烏彫りの竜が。先輩も同僚も、全員が和田君からガン引きで、ちょっと可哀相だった。本人も困ってたみたいで、自分はヤクザじゃないと言っていたのだが、おっさんが根掘り葉掘り聞く所によると予備軍って辺りっぽかった。*3
 あんまり見ちゃおれんかったんで、「ヤクザ言うても、そういう知り合いがおって誘われてるとかそんなんやろ?」と場を取り持とうとすると、先輩やらおっさんが目を向いて驚く。何だよお前ら、ついさっきまで一緒に仲良く仕事してたじゃんよ。「そんなん彫ったら、銭湯とか入れてもらえへんのんちゃうのん?」と笑い話に持って行こうとすると、突然殴られた。無論、和田君じゃない。殴ったのは、先輩とおっさんだった。二人は媚びた笑みを浮かべながら和田君に「こいつ殴ってえぇで」「そうやそうや和田君、殴っとき」と来た。
 でも、和田君は殴らなかった。先輩やおっさんを立てるべく笑いながら、オレを殴りはしなかった。帰り道、同じ電車に乗った和田君は先輩やおっさんの態度に憤りを隠そうともせず、オレと語り合った。やっぱり、和田君も普通に就職したいし他人に倦厭されたくはないのだ。ナイーブで、夢があって、そして将来に不安と希望がない交ぜになった、十代の頃のオレそのものだった。*4
 ただ、オレと打解けた最大の要因は、和田君の目から見てオレが同世代に見えたからだそうな。*5
 それはともかく和田君、やっぱその歳で女と半同棲をしているってのを聞いた今となっては、オレと君は分かり合えないらしい。

*1:実名

*2:一緒に働いてたおっさんが、和田君がヤクザと聞いた途端にビビリ半分に薀蓄を語り出したのだ

*3:何でも、テキ屋でドサ回り臭かった

*4:オレはヤクザではありませんでしたが

*5:26歳になるんですが